天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ

これが夕城 翡翠。

武闘派教師陣の筆頭にして、天神学園教師の中で一、二を争う実力者。

武の心得のない生徒など、彼の目の前に立つ事すらできぬ程の気迫を漂わせている。

そんな男を、真っ向から睨み据えているジャックフラミンゴの胆力もまた尋常ではない。

彼もまた、剛の者蠢く天神学園では名の知れた男。

如何に翡翠とて、気迫のみで黙らせる事ができるような相手ではなかった。

そのような生徒がまだ存在した事を嬉しく思う反面。

「俺が本気で腑抜けたと思っているのならば心外この上なし」

下駄履きの足が、ミシ…と僅かに音を立てる。

「来い、童(わっぱ)…正義の味方ごっこが通用する相手ではない事を叩き込んでやる」