天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ

肌に突き刺さるような気迫。

風に舞い、翡翠の肩に落ちようとした桜の花びらが。

「!」

翡翠の剣気によって弾けるように飛び散った。

(何が緩みきってるもんか…)

息を呑むジャックフラミンゴ。

職員室で呆けた態度をとっていたのが嘘のようだ。

一度戦場(いくさば)に出れば、鬼神の如き剣気を纏った剣豪の顔を覗かせる。

夕城 翡翠とはそういう男。

常在戦場の心構えを持つ男。

いつ如何なる時も侍としての矜持を抱えている。

そういう男だった。