天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ

着物に袴、腰には愛刀・川蝉。

隻眼の剣豪は、下駄履きのままリングへと足を踏み入れる。

「なかなかに度胸が据わっているな、発明馬鹿。俺が教師陣の一番手なのを知っていながらリング上で待つとは」

「ビビるくらいなら喧嘩なんか売らないさ」

ピンク色のマスクの下、笑みを浮かべるジャックフラミンゴ。

「それに今回の生徒側の面子で、あんたの事を一番よく知っているのは俺だ…生徒会長恋人疑惑で共に組んで龍太郎達と戦ったからな」

「成程、得心がいった…いったが…」

目線を上げる翡翠。

「っ!!!!」

途端に放たれる剛気!

あまりの強烈な殺気に、リング上のジャックフラミンゴはおろか、観戦に来ていた観客達まで水を打ったように静まり返る。

「あの時肩を並べただけの事で俺を理解したと思っているのならば…片腹痛い」