対抗戦が終わった夕刻。

「!」

生徒指導室のデスクに座っていた龍娘の下に、スペシャルバカとバイオリン弟が訪れる。

「あ、あの…残念でしたね…試合…」

言いにくそうに控えめに言うバイオリン弟。

「まぁ仕方あるまい」

特に気にする様子でもなく、龍娘は穏やかな表情だった。

「生徒達の実力は十分に認めた上で…勝負というものに常勝は有り得ん。戦は生き物だからな。運や機に左右される事もある。我ら教師陣とて、敗北を余儀なくされる事とてあるのだ…それをいちいち気にしていたら、武人など務まらん」