天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ

完全に足に来ている。

一気呵成に攻めるならば今が好機。

しかし龍娘はそうする事はせず、腕組みして雀の回復を待つ。

「夏柳 雀…実は私はお前を知っているのだ。中華街に住む演舞の名手…さながら鳳凰の如き舞いを見せると、ホイさんから聞いた事があった」

「わ、私を…?」

ふらつく足で何とか踏み止まりながら、雀が言う。

「演舞の名手にして中国武術も嗜む…ならばさぞや華麗な戦いぶりを見せてくれるのだろうと期待していた…ところがどうだ、今のお前は動きが硬い。剛打を見せるのはいいが、動きが直線的過ぎる。優勢の内はいいが、変化に乏しい為に見切られれば途端に噛み合わなくなる」

まるでスペシャルバカに教えを説くように。

龍娘は実戦の場で、雀に欠点を指摘していた。