天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ

二度も三度も。

己よりも小柄な、しかも生徒に吹き飛ばされる龍娘。

天神学園の完璧超人と呼ばれる彼女が、ここまでいいようにあしらわれる姿も珍しい。

「随分と惨めですね、先生!」

最早拳を交える価値もなし。

雀は一気に勝負を決めにかかる。

左拳を突き出す龍娘の懐へと入り込み、二度目の分勁を打ち込もうとする。

が!

「もう一度言ってやる」

技を繰り出す前に耳に届いた、龍娘の冷酷にも聞こえる声。

ゾクリと背中を走る戦慄。

反射的に飛び退こうとするも既に遅く。

「がはあ!」

強烈な掌打『猛虎硬爬山』を受け、雀は足場から踏み外しそうなまでのダメージを受けた。

「少しばかり優勢に立って、気をよくしたか?」

龍娘の皮肉めいた口調が、朦朧とした雀の頭の中に響いた。