「しっかし派手にやったな…」

疾風がリングを見る。

陥没、崩壊、亀裂は数限りなく。

足場として使えそうな箇所は、湖沼に浮かぶ蓮の葉の如く、点々としか残っていない。

「こりゃあリング修理まで試合は中断かな…」

呟く疾風に。

「心配無用」

ヒラリと。

リングに残った僅かな足場の上に、絶妙のバランス感覚で雀が舞い降りた。