びっくりした、とても愛しそうな目でワタシを見てくれる人がいた。


「でも、あんたは笑わなくなった。元気に話す声もなくして、嫌だった。」


ユウタは泣きそうな顔をして、ワタシを見つめて言う。


「また、笑って欲しかったんだ。あんたのためじゃなくて、自分のためだったのかもしれない。」


そう言って笑うキミ。ワタシは好きだ、キミが。

ちゃんと自分をわかっている。認めている。

ワタシも頑張ろう、キミが頑張ったように。


「ワタシ、がんばるよ。」

「うん、」


そう言ってワタシは心から笑った。


突然教室のドアが勢いよく開いた、


「千鶴!」

「かえで、ちゃん。」


ワタシがにへらと笑うと、楓ちゃんはボロボロ涙を流してワタシを抱き締めてくれた、

ワタシのために泣いてくれる楓ちゃん、


「ありがとう、」


いままでの分、ありがとうだけじゃ足りないけど、

今のワタシに出来ること。


「かえで、ちゃんダイスキ。」


楓ちゃんもワタシも、涙が枯れてしまうくらい泣いた。