「また、泣きそうな顔してる。」


少し聞き覚えのある声、

視線を移すと人が立っていた。


…あ、ユウタだ。



「泣いてもいいと思うよ、」


何をいっているんだろう、キミはワタシ何を知ってるの?


「あんたはただ、自分を、自分で苦しめてる。」


そんなの、仕方ないじゃない。

そうするしかないんだよ。


「その甘い考え辞めたら?ただの強がりだよ、そんなの、にげてるだけ。」


逃げてる?


ワタシは…ワタシは!


「に、にげてない、ワタシは、ただ、」

「ただ?…認めたくないだけ?」


何でだろう、なんで、キミには、ユウタには、


ワタシの心が見えてしまうの?


「泣きなよ、甘えなよ。その後頑張ればいいんだよ。あんたには支えてくれる人がいるだろう。」


キミはあのときのように優しく、微笑んだ。


ワタシは叫んで、子どものように、ユウタの暖かい腕の中で泣いた。


泣いてると何だか心が満たされていく感じがした。


あぁ、ワタシがずっと求めていたもの

言って欲しかった言葉


全てユウタが教えてくれた。


楓ちゃんや先生もずっとワタシに与えてくれていたのにワタシがわかってなかったのかも知れない。