『好きだよ。ねぇ、蓮。今日も帰ってこないんでしょ、どうせ。』 『はい。ご主人様は会合の予定、奥様は泊まりの仕事だそうです。』 蓮はそう言うと、優しく微笑んだ。 『いいよ、敬語じゃなくて。』 『いえ、先程は失礼いたしました。先日、奥様から、注意をいただきましたので。』 母親が? 『そう。』 いつもの蓮ではなくなってしまった。