『あ、ウチん家、ここ。』 アタシはいつもの家の前で立ち止まった。 『は!?デカっ!親父さん、医者で、おふくろさん、国際弁護士だと、こんな家に住んでるわけね。』 五月は苦笑いした。 『まぁ、いいや、架之叶。お大事に。じゃーな。あ!メアドと番号、渡すの忘れた。』 五月はポケットに手を入れ、白い紙を取り出した。 『はい。』 五月に渡された紙には綺麗な字でメアドと番号が書かれていた。 『寂しいときにどーぞ?』 五月はそう言って、今まで歩いてきた道を戻っていった。