SAKURA SAKU



『ふふっ……うん、わかったよ。史貴。』






そう言うと、史貴は満足そうに笑った。








『おい、史貴。年上に向かって、呼び捨てかよ。わりーな、神川。』


赤木くんは苦笑いした。





『全然。赤木くんも架之叶でいいよ。それか、カノ。』





『じゃ、架之叶って呼ぶ。俺のことは双史でいいから。』





『うん、わかった。』






アタシのことを架之叶って呼ぶのは、



史貴と双史だけだ。



お母さんもお父さんも、アタシのことはカノって呼ぶし、学校の友達もみんなカノだし。