『翔唯!何、ボケッとしてんだよ。』 俺はその女を見ているうちに、立ち止まってたみたいだ。 双史が俺の腕を掴み、引っ張った。 『双史、あの女………』 なぜか、あの女に惹き付けられた。 『女?今は部活だ、バカ。』 双史は呆れた顔をして、俺の腕をまた引っ張った。 『ほら、あの桜の木の下…』 また桜の木の下に目を戻したが、そこにはあの女はいなかった。