月日が立ちました。

少年は大きくなりました。

少年だった青年の瞳にはあの頃のような純粋さはありません。

青年の瞳は―、悪でした。

瞳には“朱”が写っていました。

綺麗な“朱”が写っていました。

みんなは青年のことを“悪魔”と呼びます。

「ねえ、×××。」

少年は“朱”を手ですくいながら呟きます。

「あの時はムリだったけど今の僕なら行けるよね?」

だって―、