どんなに殺しても,殺す事には慣れない。

残るのは罪悪感だけ。

「…死ぬ以外に罪悪感を消す方法は無いからさ」

死ねたら,この罪悪感からも開放されるだろう。

死ねたら,もう殺す事も無いだろう。

「…じゃあ,死ねば?」

「簡単に言うなよ。人間は強くない。どんなことをするにも,勇気ってもんが必要なのさ」

「殺すのにも?」

「あぁ。」

携帯がなる。

また,殺しに行かないと。

「じゃあな。」

死神に言い残すと部屋を出る。

「人間っておもしれぇ生き物だな」

死神は誰もいない部屋で呟いた。