「こいつが俺の彼女」


か……彼女ーっ!?


何故か、誰かさんの病室の中に引きずり込まれたあたし。



てか、佐々木の言ってる意味がわかんない。
わけわかんない。
意味わかんない。
わけわかんないーっ!



あたしが佐々木の彼女!?
んなわけないじゃんっ!
あたしが佐々木の?!
あたしはもっと優しくて、気取ってなくて、笑顔が似合う人がタイプなのっ!



「ほんとにいたんだぁ、隼人の彼女」



名前…隼人っていうんだ。



ベッドの上で嬉しそうに微笑んでる……誰かさん。


「おいっ、優輝。俺が嘘ついてると思ってたのか?!」


「そりゃそうだろ!隼人って彼女いそうな面してねぇもん」


「ひでぇ……」


優輝くんはケラケラ笑った。
白いベッドの上に座ってる優輝くん。
病気………なのかな?



しばらく佐々木と優輝くんはじゃれあっていた。



そういえば佐々木のキャラ違うくない?
もっとイヤミっぽい人じゃなかった?


あたしはしばらく、2人の言い合いをポカーンと眺めていた。


「隼人、彼女ほっといていいのか?」


「あぁ、急に呼び出したりしてごめんな。どうしても優輝に会わせたくて」


佐々木は優輝くんに見えないようにあたしにウインクした。
まるで、話を合わせてくれって訴えてくるように。


「う、うんっ。全然いいよ!あ…あたしは隼人の彼女です!初めまして!」


「初めまして。俺は川原優輝。これから隼人をよろしくな」


あたしは優輝くんの言葉に引っかかりを覚えた。
“これから隼人をよろしくな”
友達だから……だよね。
あたしは考えるのをやめた。