「あんた、お母さんの傘持ってきたのに自分の傘は忘れたの?バカねぇ」
「そうですよね~。バカだ、バカ」
隼人はお母さんの言葉に便乗するように言った。
「お前はうるさぁい!あんたのせいでしょ!あたしはお母さんの傘を届けにきただけなのに隼人があたしを彼………ンーーーーッ!」
口、口!
口塞ぐなっ!
息できないって!
ほんと苦しいからっ!
「離してっ………ハァ、ハァ」
隼人はあたしが苦しがってるのに気付いたのか、あたしの口を塞いでた手をどかした。
『あたしを彼女役させるから帰るの遅くなったんじゃん!』って言おうと思ったけど隼人が、口を塞いできたために言えなかった。
言っちゃダメだったのかな?
お母さんはあたしと隼人を交互に見ながら……
「あなたたち、一体どーゆー関係なの?」
お母様。そこを聞きますか。
そう考えてみれば、あたしたちはどーゆー関係なんだろう?
あたしが聞きたいぐらいだよ。
友だち?ってわけでもないよなぁ………
彼女?いーんや、ありえないわ。
優輝くんの前でだけ、だもんね。
あたしがお母さんの問いの答え方に悩んでると…
「俺と叶はーーーーーー
ちょっと待って………。
嫌な予感がハンパないんだけど。
隼人はあたしをチラッと見て、続けてこう言った………
