シロクロ

『ナツくんの弟かぁ、一年生?』
書店の女性が、俺の方を見て言った。 俺は、黙って頷いた。
『カワイイ子ね』
女性が夏輝兄の方をみて言った。
『だろ!』
夏輝兄は、嬉しそうに笑いながら言っ た。
『あっ・・・教科書だったわね、え~ と、一年生だから・・・』
そう言うと女性は、ものすごい速さで、 棚にあった本を何冊も袋に入れた。
『はい、アキくん、重たいからナツくん に持ってもらいなさいね』
女性は、教科書を入れた袋を夏輝兄に持 たせた。
『バイバイ』
女性は、俺の顔を見ながら手を振った。
『ばぃばぃ』
俺も女性に手を振って俺達は、店を出 た。