教室に入ると、一斉に歓声が上がった。
…あれ?うちのクラス、こんなに賑やかなクラスだっけ?
なんて思ってると…。
「やっと実樹が学校に来たー!」
「あ、そーいう」
考えてみたら二ヶ月ぐらい学校に来てなかったしなぁ。
理由は簡単。『面倒だったから』だけど、先生には『骨折して歩けなくなった』
って言って誤魔化してた。
改めて思うけど、最低だね。私って!
なんて思ってると夢羽が、
「音色の席は一番後ろの…。あ、向田の隣ね」
と、苦笑いしながら言った。
後ろを振り向くと、眼鏡に癖がかかった黒髪で、読書をしてる男子が。
私はゆっくりと自分の席に座ると、鞄を地面に置いて寝た。
あー。今日はマジで昼寝日和だ…。