「地球じゃないって…くくっ…ははははっ」



地球じゃないなんてあり得ない。

あり得ない。あり得ない。あり得ない!


ねえ私は今どこにいるの?

ああ、これが夢ならどんなにいいか。
でも夢ではないということは、ついさっき気付いたばかり。


私はじわりと滲んだ涙を誤魔化すように天井を仰いだ。



「あはははっ…私、どうしちゃったんだろう…っ」



もう私の頭が狂ったとしか思えない。

だって、地球じゃないとしたらここは火星?木星とか?

いや、あり得ない。



「……っ」



ぐっと唇を噛む。
これ以上声を出せば嗚咽になりそうで。


すると、いつの間にかグラスをベッドのサイドテーブルに置いたようで、リツィリアさんの両手が私の震える手をふわりと包んだ。



「君の気持ちは分かるよ。
いきなり見知らぬ場所に迷い込んだんだ。誰だって混乱するに決まっている」



分かる?
私の気持ちが?


リツィリアさんの言葉にぴくりと肩が震える。