誰かいるかもしれない。

私はやっと道を聞けると思ったら嬉しくて、何も考えずにその扉を開ける。



「あのっ、」



ばちっと合う二人分の視線。

そこには、ソファの上でドレスをはだけさせた金髪碧眼の美女が赤毛のイケメン細マッチョに押し倒されているという構図があった。


バタン

そして扉を最速で閉めた。



「――っ!」



かーっと頬が一気に熱を持つ。

湯気が出てしまうんじゃないかと思ってしまう程。


ぬ、濡れ場!
うわわわっ止めてよこんなとこで!



間違いなくあれは濡れ場だった。


乱れた髪の毛とはだけた衣服。
二人とも額に汗を浮かべて息を切らし、なんかもう見ていられなかった。


彼氏いない歴=自分の年齢という方程式の上にあぐらをかき続けている私には刺激が強すぎる。


私は扉の前で顔を真っ赤にしながら扉を閉めた時の格好のまま固まった。