ぽろっと何気なく口から飛び出した問いは、なんだかどこかで聞いたことのある言葉だった。
なにナンパしてんの。私のばか!
何も考えずに口にしてしまったとはいえ、ナンパの常套句を口走った自分に自己嫌悪。
「あ、いや、今のは違う違う!ただどこかで見たことある顔だなあと!」
さらに深くなった美少女の眉間のシワに、慌てて弁明しようと試みたけど。
「俺たちはまったくの初対面だ。……ていうか、お前ばか?この顔、誰か分かんねぇの?」
一拍置いて返ってきたのは失礼きわまりない言葉。
むかってきたけど、自分でも思ったことだからそこはこらえて、美少女の顔面をじっと眺めまくった。
「……分かんない。あなた誰?」
またも無意識にぽろっと口にしてしまった問い。
なんだかデジャブを感じた。

