扉の向こうから漏れ出る明かりがゆらりと揺れる。



「……誰もいないようだな」

「ああ。…それにここは立ち入り禁止の部屋だから厳重に鍵がかかっているはずだ。あの姫様がいる可能性は少ない」

「それもそうだな」



そう言って、彼らは離れていく。

それと共に唯一の明かりが薄らいでいった。


かつかつと足音が去っていく間も私たちは息を殺し続け、やっと彼女から解放されたのはずいぶん時間がたった後だった。



「悪かった。見つかるわけにはいかなかったんだ」



本当に申し訳なさそうに謝りながらそっと離れていく様子に、本当は悪い人じゃないのかもと、一瞬思ってしまう。

我ながら馬鹿みたいに単純すぎる…



「あなた、誰?」

「…それに答えるより先に、まずはこの部屋から出ないか?暗くて何も見えない」



もっともな質問を投げかければ、返ってきたのはそんな言葉だった。

うん、激しく同感。