そこは神殿の奥の奥。

相当な身分を持つリツィリアさんでさえ、普段は足を踏み入れることのない部屋。

ぼろぼろになっていた社を保護する場所。


私は慎重に足を踏み入れた。

神聖な気配に空気は静かで揺らぐことを知らず、重苦しくも爽やかな気が部屋を満たしている。




部屋の中央には、子犬がやっと入れそうなほどの大きさをした、少し古くさい小屋。

それは小さな泉の上にあり、泉からは十字型の水路が走っている。


そして高い高い天井を彩るステンドグラス。

差し込む光は七色で、シンプルな内装を飾り、水面がキラキラとそれを反射している。



「……っ」



私はあまりの美しさに息を呑んだ。

こんなの、見たことがない。


なんて綺麗なの…