階段を下りていく葵の
足音を聞きながら、
俺は携帯に手を伸ばした。








──────────ピッ





携帯を耳に押し当てて
再度ベッドに寝転がる。





『 ・・・なによ? 』


「 来い 」


『 はぁ? 』


「 いるとこ分かんだろ?
  早く来い、今すぐ 」





それだけ言って電話を切り
携帯を放り投げる。
それから何度か着信があったけど
全部無視した。





しばらくして、チャイムが鳴って
俺が窓から顔を覗かせると
ドアが開く音が聞こえた。