寝起きだからか、先輩の声は いつもより低くて、掠れていて ちょっとだけ拗ねている気がした。 「 ・・・先輩? 」 「 超いい夢、見てたんだけど 」 私が起こしてしまったせいで 目が覚めた、と先輩は私を ぎゅっと強く抱きしめると 「 んー・・・ 」 珍しく甘えたな声をだす先輩に ”どうしたんですか?”と 私も抱きしめ返しながら聞くと 「 ・・・好きだよ、葵 」 「 ・・・知ってますよ 」 「 かわいくねぇ・・・ 」 幸せを噛み締めながら 緩む顔が見えないように 先輩の胸に顔を埋める。