「 お腹いっぱいです!! 」 「 だめ、まだ残ってる 」 ”嫌だ”と首を横に振る私の 顎をまた掴んで、引き寄せて こじ開ける。 「 やっ・・・・んっ・・ 」 また、あの味が口内に広がって 自然と涙が溢れてきた。 「 ニンジンが嫌いとか、何歳? 」 水の入ったペットボトルの 蓋を開けながらそう言って 笑う先輩は、悪魔だった。 口をもごもごしながら 吐き出しそうになる衝動を 押さえて、人がいないか 周りを見渡した。