───────チュッ 「 ”俺の”葵なんだから 俺が葵に何しようと 俺の勝手だろ? 」 触れるだけのキスの後、 満足気に口角を吊り上げた彼は 私を解放した。 こういうときに、どうしようもなく 泣きたい気分になる。 昨日言われた言葉が、先輩が 触れてくるたびに頭に浮かんでは 甘く響いてきて、頭がくらくらする。 それと同時に湧き上がる不安を 押さえながら、私は先輩に 手を差し出した。