扉が閉まって、
動き出した列車を
泣きながら見送る葵が
小さな声で俺を呼んだ気がした。










────────────ガタンッ・・






「 ・・・・葵 」








泣くだろうとは思ってた。
今日出発だとあえて昨日まで
言わなかった。







葵が時間を気にしそうで
体を壊しそうだったから。