「 ”何が”嫌なんだよ? 」


「 ・・・・ 」


「 言わねぇと分かんねーよ? 」





言わせようとしてる・・・。





愉しそうに目を細めた先輩の腕を
引っ張って、私は観覧車へと
足を向けた。





「 ・・・先輩って、 」


「 なに? 」


「 ・・・本当に意地が悪いですよね 」





分かりやすく仕掛けてみたり
最近慣れてきた自分が怖い。





「 今更だろ 」


「 ・・・まぁ、そうなんですが 」


「 なぁ、葵 」





膨れっ面をした私の頬を
人差し指で突いて、今度は
先輩が私の腕を引っ張った。