「 夢の中で、先輩が ずっと泣いてたんです 」 「 ・・・・俺が? 」 聞き返すと、コクン、と 小さく頷いて、 「 ”何もしてやれなくてごめん” 」 葵の言葉に、一瞬 心臓が止まった気がした。 「 ただずっと、そう言って 先輩が離れていっちゃうんです 」 スカートの裾をぎゅっ、と 両手で掴んだ手の甲に ポタ、と一滴、涙が落ちた。