「 いっ・・・ 」 口内に広がる、”葵の”血。 唇についた血を舐めとりながら 葵を見ると、慣れない血の味に 顔を歪めていた。 「 先輩・・・? 」 「 ・・・ごめん、葵 」 葵の唇についた血に手を のばすと、葵はビクリと 肩を上げた。 「 俺、・・余裕ない 」 付き合ってもう、半年以上経つ。 半年以上、毎日のように 一緒にいた。 けど、”それだけ”。