お母さんは不思議そうに
私たちを見ながら
”出かけてくる”と家を出て行った。
「 ・・・・美夏、さん・・・ 」
「 ごめんね、葵ちゃん・・・ 」
「 先輩は・・・どこに居るんですか? 」
美夏さんの手が髪に触れて
優しく頭を撫でられて、
それだけで涙が出そうになった。
先輩はもっと乱暴に撫でる。
髪がぐしゃぐしゃになっても
気にせずに撫で回したあと、
私が少し怒っているのを見て
笑いながら今度は優しく撫でて
乱れた髪を梳いてくれる。
──────────全部、覚えてる。
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