─────────行かないで、先輩。







口を開ければ、声を出せば、
きっと我侭しか言えないから。







ゴンドラが下に着くまで、
先輩は何度も何度も私に
優しくキスをして、







「 ・・・・ごめんな 」






泣きそうな顔して、
何度もそう言った。






先輩が卒業するまであと半年。
私はそれまでに、先輩を送り出せるように
強くならなくちゃいけない。