「 ・・・葵? 」





葵の肌を伝って俺の膝を
濡らす涙を指で拭いながら
名前を呼ぶけど、
葵は起きない。





怖い夢でも、見てるのか?





「 葵、・・・起きろ、葵っ 」





怖い夢くらい、俺が
ぶち壊してやれる、けど
結局は何もできてねぇ・・





「 んっ・・・ 」





自分の無力さに腹が立って
それをぶつけるように
まだ眠っている葵の唇に
噛み付くようにキスをした。