「 ・・・・そうですよ 」


「 え? 」


「 何も知らないんです 」





ただ先輩は、泣くなというだけで
距離をおきたい、というだけで
その理由は知らない。





この一週間先輩がどこで
何をしているかも知らない。





「 何も知らないんですよ、私は 」





ダンッ、と苛立ちを机にぶつけ、
私は保健室から出て行こうと
席を立った。