「 ・・・・・葵? 」


「 ・・・・・ん? 」






私を呼ぶ、先輩の掠れた声。
私を抱きしめる、先輩の腕。
私の髪を撫でる、先輩の手。






密着しているのに、
隙間なんてないのに、






その瞬間、私は”離れたくない”と
思ってしまった。






先輩がこんなに近いのに
なんですごく遠く感じるんだろう。