内心溜息をつきながら
ドアを開け廊下に出ると





「 あ、先輩っ 」





葵が立ち上がって、
”お疲れ様です”と
缶コーヒーを手渡してきた。





「 ・・・サンキュ 」





不思議と、葵を目の前にすると
肩の力が抜けて、自然体になれる。
落ち着きを覚えながら、俺は
葵の頭を撫でていた。





「 大丈夫ですか? 」


「 んー?なにが? 」


「 疲れた顔、してますよ 」





コーヒーを喉に流し込みながら
”んー・・・”と適当に返事をして





「 帰ろ 」





飲み終わったコーヒーの缶を捨て
葵の手をひいた。