「 ったく・・・お前は・・ 」





ペン先で何度も俺の手を
突きながら俺の成績表を
パラパラと見ていく担任は
思い出したように顔を上げた。





「 親はなんて言ってるんだ?
  厳しい人だろ? 」


「 口きいてないんで 」


「 おいおい・・・いいのか? 」


「 どうしようと俺の勝手っスよ 」





確かにうるさい。
ここ最近は特にうるさい。
卒業に近づけば近づくほど
やけに構ってくる。





「 ・・・じゃあ、就職だな? 」





頷いて、席を立つ。
もうとっくに授業は終わって
生徒は帰ってんのに、
俺だけ呼び出しかよ・・・。