「 無理よ・・・裏切りたくない・・ 」
「 美夏さん 」
私も、背中を押されなかったら
きっとそうして逃げ回って
最後には美夏さんのように
先輩から離れることを決めていた
かもしれない。
美夏さんがいなかったら、
先輩には何も言えなかった。
だから、私も。
「 悠太さんは、
待ってるんじゃないんですか?
美夏さんが全部話してくれるのをずっと
待ってるんじゃないんですか? 」
「 え・・・? 」
「 そんなに近いところに居て、
美夏さんの変化に気付かない
わけないですよ 」
先輩は私の全部を知っても
私に全てを話させてくれた。
悠太さんだって、先輩のように
待ってるかもしれない。

