「 ・・・あの、先生? 」
「 美夏さん、でいいわよ? 」
「 ・・・美夏さん? 」
ケーキも食べ終わって、
少しだけ静かになった部屋。
ずっと聞きたいことがあった。
「 ・・・悠太さん、とは・・・
どうなったんですか? 」
他人の私が口を出すような
ことではないんだろうけど、
あれからずっと気になっていた。
先生が私の背中を押してくれたように
私だって何か力になりたい。
「 うーん・・・何も、ない、かなぁ 」
「 ないんじゃなくて、お前が
逃げ回ってるだけだろ 」
「 まぁ、そうなんだけどね 」
伏せた目、長い睫が震えていて、
先生は前髪をきゅっと掴んで
悲しげに笑った。

