「 怒んなって、葵 」




そう言ってキスをされて、
引き寄せられて、







「 聞きたくなったんだよ、
  ・・・・・仕方ないだろ? 」





筋の通ってない言い訳をされて
ムッ、としながらも
背中に回した腕に力を入れた。






「 ・・・・最近、いい表情するよな、葵 」






痛いくらいに抱きしめる腕に
力を込めていたのに、先輩は
余裕の表情でそう言って私の
頬に手を添えた。






「 いい表情? 」


「 怒ったり、笑ったり、前より
  表情が豊かになったよな 」