「へぇ…。」

大庭さんがあたしから目を反らすことはなかった。

あたしの目を食い入るように見つめている。

ものすごい威圧感を感じた。

 「…ま、やってみればいいんじゃ
  ない?
  遠田なりのテニス。」

あたしなりのテニス…。

あたしは何も言わずに頷いた。

意味はわからなくても…

…そのうち何か見えてくるはずだ。

 「桃林!桃林!!」

 「海葉!!ファイトー!!」

ベスト4ということもあって、観客数は今までの試合の3倍くらいに膨れ上がっていた。

地区大会とは全く違う緊張感…。

その中心にあたしと日花梨先輩はいるんだ。

 「愛華、何回も言ってたよね。
  大庭達に勝つって。」