先生はいつも、自分達のプレーをしてこいと言っている。

場内にアナウンスが響いた。

あたし達にとっての勝負の一戦だ。

 「頑張ってこいよ!!」

 『はい!!』

あたしはコートにはじめの一歩を踏み入れた。

今まで以上に力強く踏みしめる。

 「お願いします!!!」

声が震えている。

…ここまでやってきたんだ。

あとは大丈夫。

あたし達なら絶対…。

 「愛華。
  あたし、まだ引退したくない。」

 「わかってますよ。
  引退なんてさせませんから!」

声はもう震えていない。

緊張や不安は全て消え去った。

地区大会であたし達は優勝してるんだ。

…何が何でも自分を信じる。