あたしは思わず見入ってしまった。

あんなに真剣な歩斗は久しぶりに見た気がする。

あ…やっぱカッコイイ。

 「城田も最近成長してきたよね。
  体上手く使って打ててる。」

 「…そうですよね。」

歩斗と一瞬だけ目が合った。

歩斗はこっちにむかってピースをしている。

 「勝利宣言かよ。
  生意気すぎ!」

日花梨先輩がそう言いつつ笑っていた。

 「それよりも、先生にアドバイス貰
  いに行きましょうよ!!」

これ以上、歩斗のこと見てるとヤバイかもしれない。

あたしは半ば強引に日花梨先輩を連れて行った。

次の試合の相手は北地区のペアだった。

気が引き締まる。

 「後衛はロブで振り回すのも悪く
  ない。
  …まぁ、ここまでやれてるんだから
  あとは自分達のプレーをな!」