もしかして、試合…見てたのかな?

 「ナイスゲームじゃん。
  このまま優勝も夢じゃないんじゃ
  ない?」

太陽の光で航希君の髪がキラキラしてる。

太陽に負けないくらいの笑顔がまぶしい。

 「いやいや…。
  それはわかんないです。
  そういえば、航希君試合は?」

 「オレ、シードだから。
  2回戦からなんだよね。
  しかも、試合なかなか進まないみた
  いで。」

ああ、なるほど。

 「大変ですね。」

 「そうそう、暇なんだよ。」

遠くの方で日花梨先輩があたしを呼ぶ声が聞こえた。

 「あ、すみません。
  じゃあ、また!」

 「じゃあね。
  …あ。愛華!」

航希君の声にあたしは足を止めた。

 「え?」