「うっせ!」

蓮が歩斗の頭を軽く叩いた。

この2人はいつもこんな感じ。

昔も今も変わらない。

 「安定の4番手って感じだね。」

 「…安定かどうかはわからないです 
  けど…。
  まぁ、こんな感じです。」

男子の先輩達は今まで書いてきたノートを読んだり、戦術をペアで話し合ったりしている。

その表情は凛としていて、やっぱり真剣なんだということがわかった。

 「早いな、お前達…。」

 『おはようございます!!』

集合時間まで20分くらいあるのに、もう全員集合している。

これは結構珍しいことだ。

 「少し早いけど移動するか。
  練習もしたいだろ?」

先生の言葉もあって、あたし達はバスに乗り込んだ。

蓮はアイマスクまで持参して仮眠をとっている。

それに対して歩斗は外をボーっと眺めていた。