それから私はリハビリを続けて、前みたいにテニスが出来るような体になった。

…でも、テニスを続けようとは思わなかった。

そんな時、親の転勤が決まった。

転勤先は東京。

東京と聞いた瞬間に何かが引っかかった。

それは小5の時私を変えてくれた存在だった。

遠田愛華…。

あの子は今でもテニスを続けているんだろう。

でも、もしかしたらやめてるかもしれない。

悩んだ結果、またテニスを始めてみようと思った。

幸い、東京の学校はあたしを快く迎えてくれた。

新しい環境でのスタート。

あの子がいたから私は東北No,1まで成長できた。

あの子のおかげだ。

だからこそ…。

借りは返さなくちゃいけない。

 「愛華ちゃん。
  ありがとうね。」