「…ゲームセット!!!」

梨々香ちゃんの涙を見た。

 「4-3で藤宮の勝ちです。」

梨々香ちゃんが負けた。

 「粘ったね。
  ファイナルまで持ち込んだし。」

拍手が会場を包んだ。

拍手はどんどん大きくなる。

勝っても負けても、関東に駒を進めることは出来た。

でも、優勝ってのは大きな意味がある。

価値があることなんだ。

 「…いい試合だった。」

優奈が拍手をしながらいった。

 「東達も惜しかったよね。」

 「…ですね。
  でも、本人は惜しかったとか思っ
  てないと思います。」

悔しい。

そんな気持ちでいっぱいなんだと思う。

 「男子は決勝トーナメントの途中かな?
  生き残ってればいいんだけど…。」