歩斗は目立つんだ。

何年も一緒にいるからかわかんないけど、遠くにいてもそれが歩斗だとわかる。

コイツは元から独特の雰囲気と明るさを持っていた。

オレはそれにひきつけられた。

 「蓮の邪魔しないようにしてたつもり
  なんだけど?」

 「お前は…存在自体が邪魔。」

よく考えてみればこんなキツイ冗談を言えるのも歩斗だけ。

 「もう一回言ってみろよ!」

 「あー、もううるせーよ!」

オレの方が歩斗よりも背が高い。

成績もいい。

足だって速い。

…でも、コイツには内面で勝てないところが沢山ある。

友達だって歩斗の方が多いに決まってる。

 「お前はいいよな。」

 「え?
  なんで?」

まぁ…そーゆーことだよ。